経理のお仕事#2 経理入門でやること(現金管理)

2018年3月14日

経理の仕事を具体的に紹介するシリーズ企画の第2弾は「現金管理」について!

どーも、経理歴9年のもりゾー(@morizoo_dakooda)です。

これから経理の仕事を始める人、経理の仕事に興味がある人向けに、経理歴9年のもりゾーが経理の仕事で経理として働きだしたらまずやる業務である「現金管理」についてお話します。

現金管理って何するの?

まず現金管理とは?というところからですが、こちらは読んで字のごとく現金の入出金を管理(出納業務)し現金の入出金に対して伝票を起票することです。

ある日の営業担当Aさんと新卒経理マンもりゾーの会話…..

  Aさん

もりゾーさん!50,000円仮払いで現金ください。

 もりゾー

Aさん50,000円も何に使うんですかー?

  Aさん

今週の水曜日に取引先と接待するんですよー

 もりゾー

了解です! …ガチャ…1、2、3、4、5枚。はい50,000円です。

  Aさん

もりゾーさんありがとう。(イヒヒヒ。ちょっと余りそうだからパチンコでも行っちゃおうかなー)

 もりゾー

今週の金曜日までに領収書をとお釣りを持ってきて下さいねー。

  Aさん

はい…(まあバレないだろ)

 もりゾー

ちょろまかしても必ずバレますからね。ちゃんと現金数えてますから。

  Aさん

…はい…ちゃんと返します。

現金管理を担当することになったらこんな会話をするシーンもあることでしょう。

この一連の会話の中だけでもたくさんの業務があります。

ポイント

  1. 現金出金
  2. 伝票起票#1
  3. 現金入金(仮払いした金額が余った場合)
  4. 伝票起票#2
  5. 現金実査

1.現金出金

まずは最初の仕事「現金出金」です。まあこれは簡単ですね。

おそらく入出金伝票or仮払い申請というものがまず最初にされてくると思います。その申請内容に基いて正確に現金を金庫から出金します。

現金を出金したら必ず現金を渡した人の受領印を貰います。

経理では必ず何かしらの証跡を残すのが大事なんだ!受領印を貰っていれば渡された人が仮に持ち逃げしても経理の責任にはならないよ!

2.伝票起票#1

現金を出金した後はそのお金の動きを会計データに落とし込む作業です。まずは現金を金庫から出金した会計処理を行います。以下仕訳です。

借方:(仮払金) ¥50,000 / 貸方:(現金) ¥50,000

 

これは現金を出金したという事実を会計に落とし込む仕訳です。借方の「仮払金」というのはまだ出金した現金の目的が明確でないよ。というような意味の科目です。後日出金目的が明確になった場合に「仮払金」から振替えます。

3.現金入金

ここでは仮払いした現金が一部戻って来た場合の会計処理になります。

例えばさっきのもりゾーと営業担当Aさんの例で見るともりゾーがAさんに対して50,000円を出金しました。後日取引先との接待を終えたAさんが接待でかかった飲食代が48,000円だったので、領収書と共に2,000円のお釣りを持って来たといった時の会計処理ですね。

ここでは現金を出金した時とは逆にもりゾーが受領印を押しましょう。

もりゾーもAさんも互いに現金を受領した証跡をしっかり残しておけばお互いに心配事はなくなるね。

4.伝票起票#2

ここは、上の例で挙げたAさんが余ったお釣りを返しに来た時の現金の流れを会計データに落とし込む作業になります。

借方:(現金) ¥2,000 / 貸方:(仮払金) ¥2,000

お金が会社の金庫に2,000円戻って来た(入金された)ので、現金を増やす仕訳になります。これで「現金」の流れを会計データに落とし込む作業は終わりです。

続いて、仮払金を費用に振替る処理を行います。2.伝票起票#1を思い出して見て下さい。

2では仮払金を左側(借方)に50,000円増やした会計処理を行いました。そして本項でお釣り2,000円分の現金が戻ってくる(入金された)処理をすると同時に仮払金(要は目的が決まっていない現金)2,000円を減少(貸方)させる処理をしましたので、左側(借方)残っている目的の明確でない仮払金は48,000円分残っています。

この48,000円はAさんが取引先との接待で飲食代として支払いをし領収書を貰ったので、会社の経費(コスト)ということになります。これで宙に浮いていた48,000円の目的が明確になりましたので、これを会計データに落とし込む作業をします。

借方:(接待交際費) ¥48,000 / 貸方:(仮払金) ¥48,000

この処理が終わったら、もりゾーとAさんとの間での現金の流れを会計データに落とし込む作業は終了になります。

5.現金実査

最後に「現金実査」の作業です。現金の入出金が多い会社はほぼ毎日のように現金を締めています。実際にどんなことをするかというと、金庫の中に残っている現金を数えて、実際に残っている現金残高と帳簿(会計データ)上の現金残高が一致しているかどうかを確認する作業になります。

現金を締める時にやりがちなのが、現金の数え間違いと領収書の金額を会計データに入力する時の入力間違いだよ!特に入力間違いは厄介で、どの伝票が間違っているか書類を引っ張り出して確認しないといけないから注意!!

現金の締め作業を行う上で使うのが「金種表」です。

↑↑↑こんな感じのやつ。
この金種表をEXCELで作成しておき、各金種の数量を入力すれば簡単に現金残高を計算することが出来ます。

この「現金を締める」作業を行って一通り現金管理の作業は終了になります。

現金が合わない=ダメ経理

現金が合わないはだめ経理の証拠です。現金管理は経理の業務の中でも基礎中の基礎として位置付けられています。というのも現金管理は経理実務を始める上で一番現金に手を触れる機会が多く、目で見て現金の流れを把握出来るからです。

また、現金は「会計監査人の実査項目の1つ」でもあり、監査法人が必ず資産の実在性を調査するための監査手続きの一環です。

キャッシュレス化で現金を金庫に保有するリスクを減らす。

最近は本当にキャッシュレス化が進んできています。そのうち現金で清算するなんてことはなくなるんじゃないかなあとも思います。
現金を保有していることによる管理コストとリスクを考えると当然と言えば当然ですね。
それにキャッシュレス化を進めることで、経理業務ももっと簡略化・効率化され、月次の経営成績の分析や業務改善にもっと注力することが出来るようになるでしょう。

さいごに

経理の仕事の紹介第2弾として「現金管理」について説明しました。

経理は今後AIに奪われる仕事としても上位に君臨しているほどです。ここで紹介したような経理の基礎中の基礎である「現金管理」の業務をサクッとこなしてもっと重要な経理業務に注力できるようにがんばりましょう。