経理のお仕事#4 固定資産とは?
経理の仕事を具体的に紹介するシリーズ企画の第4弾は「固定資産管理」について!
どーも、経理歴9年のもりゾー(@morizoo_dakooda)です。
これから経理の仕事を始める人、経理の仕事に興味がある人向けに、経理歴9年のもりゾーが固定資産管理の実務についてお話します。固定資産は突き詰めるとかなり奥が深いです。
固定資産ってなに?
まず固定資産というものがなんなのかから説明します。
固定資産とは…
会計上の固定資産とは、販売目的でなくかつ継続的に会社で使用することを目的とする財産のことを指す。固定資産は流動資産(Current assets)と共に資産を構成する。 企業の営業活動を直接表している売掛金、在庫などと、営業活動に直接の関連がなくとも短期的に現金として現れる預金利子などは流動資産であり、固定資産とは異なる扱いとなる。短期と長期の区別は、日本を含む国際的な会計の基準では1年を用いており、1年以内に現金化するものは流動資産とされる。
会社計算規則(平成18年2月7日法務省令第13号)106条3項2号に有形固定資産、106条3項3号に無形固定資産、106条3項4号に投資その他の資産として区分されるべき資産について定められている。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/固定資産
ウィキペディアより引用しましたが、難しい言葉がずらずらと並べてあって正直わかりづらいですね。
要は事業を運営していくうえで、使用するパソコンやデスク、車やオフィスの内装などのうち1年を超えて使用し、かつ一定の金額以上のものが固定資産となります。
例えば開発用のツールとして30万円でパソコンを購入した場合、このパソコンは固定資産として計上します。
固定資産の管理って具体的になにするの?
固定資産の管理についてはPC等の機器を管理している部署と連携を取る必要があります。多くの会社ではPCやネットワーク関連機器、会計ソフト等のソフトウェアは情報システム部、その他のデスクやオフィスの内装関連のものについては総務で管理していることが多いと思います。
これらの部署と連携し固定資産番号を採番し固定資産台帳に記載します。

もりゾー
サラリーマンがカフェでPCを開いている時にたまに「PC-100」とか何かしら番号が記載されたシールが貼ってあるのを見たことない?あれが固定資産番号なんだ!
固定資産取得時の会計処理
取得時の会計処理は以下のような感じです。
借方 | 貸方 |
工具器具備品¥300,000 | 預金¥300,000 |

もりゾー
ここで注意!!このPCを購入する時にかかった経費(例えば送料)は固定資産の取得価額に含めるんだ!
会計処理が済んだら固定資産台帳に載せます。昔はエクセルで管理している会社も多かったと思いますが、今は会計ソフトで管理している会社がほとんどです。
減価償却費の計算・計上
固定資産に計上したものは一定の期間にわたって少しずつ費用に振り替えていきます。
これを減価償却費と言います。
減価償却費の計算はまず対象となる固定資産をこの先どれくらいの期間使用していくかを見積ります。この使用する期間のことを「耐用年数」と言います。
この耐用年数はPCやデスク、オフィスの間仕切り工事等の一般的な固定資産であれば、国税庁のホームページに掲載されている耐用年数表に則り耐用年数を決めることが多いです。
つまり会計上の固定資産も税務上の取扱いと同じにしてしまうことが多いです。
先ほどのPCを例に具体的な計算方法(定額法)を見て行きましょう。
国税庁の耐用年数表を見るとPCの耐用年数は4年と設定されています。
¥300,000÷4年=¥75,000
つまりPC購入初年度の減価償却費は¥75,000となります。
固定資産を購入金額は¥300,000ですが、そのうちの¥75,000が初年度のコストになるという事になります。
また、減価償却費の計算方法には定額法と定率法があります。
固定資産の除却・売却
続いて購入した固定資産を除却(廃棄)もしくは売却した時の会計処理を見ていきます。
固定資産を購入して3年経過したのち、売却して新しいPCを購入するとします。
この時先ほどの例でいくと固定資産を購入して3年経過しているわけですから以下のような計算になります。
¥300,000÷4年×1年=¥75,000←これが現在の価値。
つまりこの固定資産を売却する時は最低でも¥75,000以上で売れなかった場合は「損」してしまうという事になります。
固定資産売却益が出る場合
固定資産が¥100,000で売れた時の会計処理を例に見てみましょう。
借方 | 貸方 |
減価償却累計額¥225,000 | 工具器具備品¥300,000 |
現金¥100,000 | 固定資産売却益¥25,000 |
このように固定資産の現在の価値を売却価額が上回った場合、利益が出ることになりますので、「固定資産売却益」を損益計算書に計上することになります。
固定資産売却損が出る場合
続いて固定資産が¥50,000でしか売れなかった場合の会計処理を見て行きましょう。
借方 | 貸方 |
減価償却累計額¥225,000 | 工具器具備品¥300,000 |
現金¥50,000 | |
固定資産売却損¥25,000 |
このように固定資産の現在の価値を売却価額が下回った場合は「固定資産売却損」を損益計算書に計上することになります。
以上、経理初心者が知っておきたい固定資産の基礎中の基礎についてのお話でした。